奈良は吉野に行ってきました(1)―金峯山寺、下千本―

 ―遠見して大きな寺の桧皮葺ついわずか前吾はあすこに―啓―


六月十日から十二日まで奈良は吉野へ旅に行きました。

初日は吉野山を歩きました。山、丸々一つが信仰の場になっている上に、寺社も数多くありますのでやはり山丸々一つが門前町のようになっているのです。

吉野山は下から「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と分かれていて、下千本のメインイベントは金峯山寺です。

「花見塚 楽」
https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/177554/177554.html
吉野駅から金峯山寺までは道いっぱいに食べ物屋さん、お土産屋さんがつらなっています。ところどころシャッターが下りているのは平日(金曜日)のため休んでいるのか、コロナによる閉店なのか……。後者でないといいのですが。

小さめのキャリーバックとバックバックが私の荷物なのですが、今日から2泊泊まる宿、「楽(らく)」さんにわがままを言ってキャリーバックだけ預かってもらいました。なのでバックパック1つで動き回ることができました。楽さん、ありがとうございます。

ロープウェイにも乗りたかったのですがロープウェーがショートカットする七曲と言うところが紫陽花が多いと聞いたので歩いてみました。狭い道の片側、土留めのコンクリートから雪の下が花をのぞかせていました。下の花びらだけひげのように伸びたその可愛らしい姿は旅の始まりを祝ってくれているようでした。

雪の下。可愛らしいです。


出だしからそんな嬉しいお出迎えがあっていい感じで歩いていると、上のほうからごとんごとんという音が聞こえてきたので、目を向けるとロープウエイ! おもちゃのような小さな四角い箱がゆらゆらゆれて下っていくのです。おお、ぜひとも乗りたいものです。

一時間ほど歩くとお土産屋さんや食べ物屋さんが連なる道の先に大きな鳥居が見えます。神社も何もないところにいきなり銅製の大きな鳥居があって不思議な感じなのですが、ここが一つの結界になっているのでしょう。由来を書いたものを見ると創建年代はわからず、一説には東大寺の大仏鋳造のさいに余った銅を使って造ったとあります。それも兵乱などで失われて十八世紀に再建されたのが今の鳥居だそうです。

ロープウエイ、結局乗りませんでした。
次回はぜひ!

そこから三十分ほど歩くと金峯山寺が見えてきました。役小角(えんのおづぬ)創建と言われる修験道の総本山です。

お寺にはそれぞれの雰囲気があるのですが、修験道、山伏の親分であるこのお寺はなにかすっきりと風通しのいい感じがして、それは少し意外な感じでした。

いきなり現れる銅の鳥居

で、東大寺の大仏殿に次ぐ大きさを誇る木造建築の本堂に入り、幕で隠れている蔵王権現さまに祈りをささげてきました。蔵王権現は役小角が山中で修業をしているときに現れた釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩の三尊が同化して現れた仏さまだそうで、インドに由来を持たない日本独自の仏さまです。

それにしても釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩という柔和な優しいい仏さま三尊が集まって憤怒の形相の仏さまがあらわれるの言うのも不思議というか、面白いですねえ。

さてさて、下千本、金峯山寺をお参りしましたので、さらに上、中千本へ歩きます。

金峯山寺です。急こう配の桧皮葺の
屋根が威容を感じさせます。


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